アフリカマンゴノキ由来のエラグ酸が良い？問題点はないのか！？

近頃、巷でアフリカマンゴノキのサプリメントを見る機会が多くなりました。アフリカマンゴノキは、亜熱帯地帯に自生する高木になる実ですが、それに含まれている成分が健康に良いと話題です。

しかし、アフリカマンゴノキのを摂取しただけで健康になれる、という安易な考え方でサプリメントを購入しても良いものなのでしょうか。ここでは、アフリカマンゴノキに関する問題点を紹介したいと思います。

アフリカマンゴノキで痩せるとは？

アフリカマンゴノキが話題になっている背景には、“痩せる”という効能があります。このアフリカマンゴノキを摂取すると、食欲を抑えてくれるホルモンが分泌されたり、中性脂肪などが減少するなど、メタボ対策にももってこいだと言われています。

そのため、肥満が問題視されている米国で大きな話題となり、サプリが大ヒットしているのです。

当然、健康に関心が高い日本でもアフリカマンゴノキに注目しているメーカーは多く、結果的に数多くのサプリメントが市販されている状況になっています。しかし、本当にアフリカマンゴノキは痩せるのでしょうか。

アフリカマンゴノキのサプリメントを見てみると、そこには“アフリカマンゴノキ由来エラグ酸”というものが含まれています。

つまり、アフリカマンゴノキから抽出されたエラグ酸が関係して、我々に健康効果を与えているということになります。

アフリカマンゴノキを積極的に摂取することでアフリカマンゴノキ由来エラグ酸をしっかりと蓄えることができため、中性脂肪が下がったりLDLコレステロールが減少し、体重も減少していくということでしょう。

しかし、世の中そんなにうまくいくのでしょうか。

●メーカーの報告

アフリカマンゴノキのサプリメントを販売しているとあるメーカーのページには、アフリカマンゴノキを摂取した群とそうでない（プラセボ群）を比較したグラフが掲載されています。

中性脂肪やLDLコレステロール、HDLコレステロールなど、プラセボ群と比較しても血中脂質が良い結果を示していると報告されています。

特に、LDLコレステロールに関しては、8週間後に相当下がっているので、積極的にアフリカマンゴノキのサプリを摂取したいところです。しかし、この報告が本当に正しいのかは眉唾もの。しっかりとその内容について考え直す必要があると言われています。それはなぜなのでしょうか。

アフリカマンゴノキのサプリは、機能性表示食品となっています。機能性表示食品として市販する場合、ある程度の科学的根拠が必要になってきます。

実は、機能性表示食品として記載するためのデータは論文が1本しかなく、あとはメーカーが独自にしたものしかないのです。さらに、この報告にはさまざまな問題点が指摘されており、本当にこれらの健康成分があるのか、科学的根拠に乏しいと指摘されています。

数多くの指摘がある中で、特に注意したいのがアフリカマンゴノキ由来エラグ酸についてです。

例えば、アフリカマンゴノキ由来のエラグ酸3mgを摂取した群が痩せたり、さまざまな健康効果を実感したという報告です。

しかし、エラグ酸を3mg摂取するためには、ブラックベリーやイチゴ、パイナップルでも簡単に摂取できます。イチゴなどは馴染み深いフルーツですが、やく半パックでアフリカマンゴノキと同様のエラグ酸が摂取できます。

しかし、イチゴを食べ続けていれば痩せていき、健康になるのか、という問題点が指摘されています。

報告によると1ヶ月で3kg程度痩せているため、これは明らかにおかしいと思わざるを得ません。今後、話題になる可能性が高いアフリカマンゴノキ。データなどを注意深く見守っていく必要がありそうです。