アフリカマンゴノキで中性脂肪が下がる？論文の問題点に注意しよう！

数年前から日本でも注目を浴び出してきている、アフリカマンゴノキ。

亜熱帯地帯の高木になるマンゴーのような実から抽出した成分がダイエットに効果があるということで、サプリメントとして市場に出回っています。ただシンプルに痩せるというだけでなく、中性脂肪を抑えたり、炭水化物の吸収を抑える効果もあるようでそちらも注目されています。

しかし、本当なのでしょうか。ここではアフリカマンゴノキの効能について考えてみたいと思います。

アフリカマンゴノキの効能は？

まず、アフリカマンゴノキの効能について考えていきましょう。アフリカマンゴノキの効能で最も有名なのが食欲を抑える、という効果です。

私たちは、レプチンというホルモンなどによって食欲がコントロールされているのですが、肥満傾向の方はレプチンが脳に届きにくい状態であるが故に、食欲が抑えられず過食に走ってしまうと考えられています。

アフリカマンゴノキには、このレプチンの働きを活性化すると言われているアディポネクチンの分泌量を増やす効果があり、結果的に食欲抑制に繋がると考えられています。

また、脂肪の蓄積をストップさせる効果も期待されています。血液中の糖を中性脂肪に変化させて蓄積させる酵素があるのですが、その酵素の活性を抑制する働きがあるようです。

結果、中性脂肪が溜まらずにダイエット効果も高いというわけでしょう。さらに、アディポネクチンの効果により、脂肪の燃焼が促されて若返りも図れると言われています。このように、アフリカマンゴノキを摂取することで夢のような効果が期待できる、というわけです。

さて、そんなアフリカマンゴノキなのですが、科学的根拠に問題点があるのではないか、と一部の有識者の方たちから指摘されています。

まず、特保の機能性表示にける採用論文がわずかひとつであり、全てがカメルー人だったというものです。日本人が使ってどのような効果があるか、各メーカーが独自に調査検証を行なっているのですが、そちらも科学的に根拠に欠ける内容として指摘されています。

まず、前述した中性脂肪の部分においての問題点です。そもそも被験者の中性脂肪（TG）初期値があまり高いものではなく、あまり臨床的意義があるとは言えない、という結果が指摘されています。

また、コレステロール値も正常化させると報告されているのですが、これも中性脂肪（TG）と同様にさほど初期値に問題があるわけではないため、臨床学的意義が無いと見られているのです。

さらに、この論文で大々的に取り上げられているのがアフリカマンゴノキ由来のエラグ酸です。

このアフリカマンゴノキ由来のエラグ酸を3mg摂取し続けた場合、8週間で6kgも痩せるという結果が出ているのですから驚きです。

ほかの特保成分は12週間で1kg減少するか否か、というところをアフリカマンゴノキだけ異様に高い数値を出しているのは、不自然過ぎると問題視されています。

そして、その発端となっているエラグ酸ですがブラックベリーやイチゴにも含まれています。ブラックベリーであれば、約6粒程度で3mgが摂取でき、イチゴであれば1/2パックでエラグ酸3mgを摂取可能です。

仮に、イチゴを2日で1パック食べ続ければ二ヶ月弱で6kg痩せるのであれば、すでに大きな話題になっていてもおかしくないのです。

アフリカマンゴノキは、確かに身体に良い影響を与える可能性がある成分なのかもしれません。しかし、それをよりアピールしようと誤摩化すようなデータを提出されてしまうと、不信感ばかりが募ってしまいます。

まだまだ市場に出回り出したばかりのアフリカマンゴノキ。注意深く見守っていきましょう。