アフリカマンゴノキでアディポネクチン活性化?本当に意味があるのか?
過食しなくなる、ということで話題になっているのがアフリカマンゴノキという成分です。
実際には、アフリカマンゴノキ抽出エキスが効果があるわけですが、これを摂取することで余分な量の食事を食べずダイエットが成功すると言われています。
しかし、そんなこと本当にあるのでしょうか。今回、このアフリカマンゴノキに対する痩せるという話の信憑性について考えていきます。
アフリカマンゴノキとは?
アフリカマンゴノキとは、亜熱帯地帯に自生している高木になる実がマンゴーに似ているため名付けられたものです。古くからアフリカマンゴノキは食用として現地で使用されており、さらに近年米国が痩せる効果があるとして、その抽出エキスをサプリメントとして配合。結果、爆発的人気を博した…とされており、その高い効果が日本でも注目され始めているという背景があります。
アフリカマンゴノキが痩せるという話
さて、このアフリカマンゴノキがなぜ痩せると話題なのでしょうか。
中性脂肪を下げたりコレステロール値を正常化したり、炭水化物から糖の吸収を抑えてくれるなど、ダイエット向きの効果が多数報告されています。しかし、その根本的にあるのがアディポネクチンの活性化です。
アディポネクチンという物質は、食欲を抑制する信号を送る神経伝達物質レプチンの働きの活性化に寄与しており、しっかりと分泌されることで過食を防いでくれる、ということが言われています。
また、血流が良くなるなどさまざまな効果から動脈硬化をはじめ、心筋梗塞や高血圧といった血管に問題のある疾患などの症状も改善させると期待されているのです。
確かに、食欲が減退すれば過食が無くなり、体は健康体へと進みます。こういった効果が本当なのであればアフリカマンゴノキを上手に摂取することは、痩せに繋がると考えていいかもしれません。
本当に大丈夫か?
しかし、アフリカマンゴノキの効果が実証されている論文などには疑問点が多く、有識者から問題点がいろいろと指摘されています。
ずさんで適当な評価結果ではないか、と多くのサイトなどでも注意されておりまだまだアフリカマンゴノキが優秀な効果を持っているのかは闇の中…と言ったところが事実です。
さて、仮にアフリカマンゴノキがこういった効能を持っていたとします。しかし、それだけで簡単に痩せるのでしょうか。
まず、アディポネクチンの血中濃度を約2.6倍にするという効果が指摘されていますが、摂取した人がすべてこれに当てはまるか、と言ったらそうではないでしょう。さらに、2.6倍増えたからレプチンの働きも2.6倍に増えるという単純なものではありません。
私たちの体は非常に複雑にできており、いつもの2倍運動したから2倍の効果が体にある…というものではないのです。
食欲が止まるか?
さらに、食欲が止まるか、という問題などもあるでしょう。
確かに、食物を食べ過ぎなければ太ることはありません。しかし、これはアフリカマンゴノキのおかげというよりも、自身の生活における自制心の方が重要だと考えます。
私たちの生活には、さまざまな食物の誘惑があります。コンビニエンスストアだったり、スーパーだったり、ファストフードだったり、いろいろなものが存在しています。
そして、近年はスマートフォンで食べ物の画像や情報を簡単に手に入れられるため、あっという間に食べ物の誘惑に負けてしまうでしょう。
本来、私たちはアフリカマンゴノキがなくても満腹感を感じているのですが、香りや記憶から来る欲情、そして人付き合いなど満腹感を超えた誘惑によって過食しています。
今更、アフリカマンゴノキでレプチンの働きを良くしても、ほかの部分に注目しないとダイエットはできないわけです。まだまだアフリカマンゴノキの効果を信じ過ぎるのはいけません。冷静に対処しておきましょう。